龍田神社 (奈良県・斑鳩町)
2022年10月4日 6件のコメント
紅葉の季節にはまだ早いのですが、かねてから気になっていた龍田神社を訪ねてきました。何故気になっていたかというと、百人一首の「嵐吹く三室の山のもみぢ葉は 竜田の川の錦なりけり・能因法師」の歌に出てくる竜田川と風の神を祀っているといわれる龍田神社に興味があったからです。「天気も良いし、どこかへ出かけようよ」という伴侶の言葉に、「それでは」ということで出かけたのです。写真は龍田神社の鳥居です。すっきりした感じと思ってよく見たら扁額がない。風通しを良くするため?風の神様だから・・・、なーんてことはないですよね。
鳥居をくぐってまず目についたのが、このお百度石。こんな形のお百度石、初めて見た。さすが由緒ある神社だね~と感心する間もなく・・・
この水口、鶏だよ!と言う声に行って見ると、コロナ禍の所為でしょうか、水は出ていないものの立派な鶏が・・・。ニワトリといえば石上神宮にはたくさんのニワトリがいましたが、龍田神社もニワトリと縁があるのでしょうか。それとも、これはニワトリではなく鳳凰なのかしら・・・。
拝殿は新しいもののようですが、堂々とした感じの建物です。賽銭箱にある紅葉葉を見て、紅葉・竜田川・龍田神社が繋がったように思ったことでした。
拝殿の全景です。では本殿は?と言うとはっきり見ることは出来ません。
拝殿の左側に回り込んでブロックの塀越しに撮った写真です。神社の入口にあった由緒書き、読みにくかったのですが、判るところだけ記しておきます。「由緒沿革 産土神、風宮竜田神社の御祭神は天御柱之大神 国御柱之大神の二荒魂・・龍?田比古之大神、龍田比女之大神陰・・二柱の皇神である。雨風を鎮め水難・・疫病を防ぐ神と楓・桜 等の式を司る神を祀る。五穀豊穣息災・・ 天地萬有厄除の神である。延喜式神名帳所載 の龍田地主大神である。他に末社として十二社を祀る。(以下略)」 やはり風にまつわる神様を祀っているようです。奈良県のHPには「祭神は、法隆寺の建立にあたって斑鳩の里が適地と告げた龍田大社(竜田大社)の分霊。法隆寺を強風や台風から守るとされる聖徳太子ゆかりの寺(神社の誤り?)」とあります。聖徳太子(法隆寺)との関係は神社の由緒書きにも出ていたのですが(以下略の部分)、読みづらかったので省略したのです。お参りしたとき、この部分を丹念に読んでいれば後で後悔することはなかったように思われます。
境内には天然記念物の大きなクスノキや
ソテツがありました。
そして、ここは能楽の観世(結崎座)、金剛(坂戸座)、宝生(外山座)、金春(円満井座)の大和四座の内の金剛流発祥の地だそうです。ところで、拝殿の両側に控えている狛犬ですが・・・
阿形と
吽形はいいとして、狛犬の尻尾の形ってこんなだったかしら・・・と仰る方が一人。ヤツデの葉っぱのようなのがお尻にくっついているみたい。今まで特に気がつかなかったのですが、言われて見ると「ん?本当だ・・・」 私のブログで取り上げた狛犬二体を紹介しておきますね。一つは葛木座火雷神社(笛吹神社)のもの。こちらは、こんな立体的ではなく、もっと平面的なヤツデの尻尾が張り付いているようです。もう一つは吉備津彦神社のもの。こちらは堂々とした立体的な尻尾らしい尻尾です。「面白そうだから、これからは狛犬の尻尾にも気をつけることにしよう」と決めて龍田神社をあとにしたのですが、もう一つ、竜田川の写真を撮るのを忘れていました。川沿いの道を走りながら駐車スペースを探したのですが見当たらない。そこで助手席にいる伴侶にお願いしたのですが・・・
時すでに遅く、竜田川に架かっている橋を通っているときの写真しか撮れませんでした。この下を竜田川が流れています。 橋には龍田神社の登りが立ち並んでいました。もうすぐ秋のお祭りがあるようです。
追記:帰る道々話をしたことは「嵐吹く三室の山のもみぢ葉は・・・」の歌から想像していたような雰囲気の神社ではなかったよねということ。風の神様だから、どこかに風の吹き出し口のようなものがあるのかも知れないと、境内の井戸まで調べてみたのですが、見つけることは出来ませんでした。あまりにも町中の神社・・・というのが私の感想でした。そういった私の思いが的中し、再びこの地を訪れることになろうとは、その時は夢にも思っていなかったのです。実のところ、この記事の中にそうなることが予想される言葉があるんですよね。恥ずかしながら・・・。