お夏清十郎の墓(貝塚市・水間寺)

お夏清十郎

水間寺境内の愛染堂にあるお夏清十郎の墓です。私のブログでお初徳兵衛お染久松に続いて三つ目の悲恋物で、宿屋の娘お夏と手代の清十郎の物語です。江戸時代には自由な結婚が認められず、ふたりの愛を貫いたという話が大衆の心をとらえ、絶賛されたのでしょう。こういった結婚観にも時代の変遷を感じますね。今の若い世代では、理解しがたい話かも知れません。ところで、お墓の前の花立て、左に田中絹代の名前が見えます。この方はかつての大女優だと言うことは知っていたのですが、右にある林長二郎って誰だったっけ・・・と考えていると、隣から伴侶が「長谷川一夫の昔の名前だよ」と教えてくれました。なぜか、こういったことはよく知っているのが不思議です。1936年に作られた映画で共演したそうです。ところでこの地に伝わるお夏清十郎は、お夏が愛染明王に祈願し、恋が成就するといった物語なのだそうです。こちらは泉州バージョンで、悲恋物は播州バージョンということになります。映画はもちろん泉州バージョンだったのでしょうね。出演されたお二人の花立てがこのお墓にあるのですから。

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