町石道のスタート・百八十町石(九度山町・慈尊院)

180町石

九度山町慈尊院から高野山根本大塔へと続く町石道。その起点を示す町石がこの百八十町石です。慈尊院から丹生官省符神社へ登っていく石段の途中にこの町石があります。ここから高野山上までこの町石を道しるべとして登っていくことになります。一町(約109m)ごとに建てられていますから道に迷うといったことはなさそうです。ところでこの町石、登って行くに従って次は百七十九町、その次は百七十八町とその数が減っていきます。こうすると後残りは何町だからがんばって登ろうという気になります。逆にその数が増えていくようにしてあると、これまで歩いてきた道のりはわかりやすいのですが、後どれくらい登れば到着といった事は少しわかりにくくなるように思います。目的地がわかっている場合の道しるべはこのような形式に限ります。これも先人の知恵と言えるのではないでしょうか。

石仏や五輪塔

逆に目的地が不確定のような場合の道しるべ、たとえば人生の道しるべといったようなものは、こんな形にしてはだめですね。生きることができるのはあと何年という形になってしまいますから・・・。いつか終わりを迎えることがわかっていても、どこまでも増えていく可能性がある道しるべの方が良いように思います。いつものように、慈尊院と丹生官省符神社へ初詣に来て感じたことでした。写真は百八十町石の根方に置かれている石仏や五輪塔の一部などです。さりげなく置かれているこんなちょっとしたものが、これから祈りの道を歩んでいこうとする旅人の気持ちを勇気づけてくれているように思います。よろしければ2018年2月6日のブログ「町石道のゴール 一町石」もご覧ください。

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