粉河寺 その5 (紀の川市粉河)

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本堂右手にある丈六堂です。左にある立て札には「丈六堂 文化三年(一八〇六)の再建 丈六(一丈六尺の略)阿弥陀如来を安置 昭和五十七年(一九八二)解体修理」とあります。ちょっと素っ気ない感じ・・・。

丈六堂阿弥陀仏 (800x533)

印は上品上生、はっきりとした眼で参拝者を見ているような阿弥陀様です。何らかの強い意志をもっていらっしゃるように見えます。普通仏様は開けているのか閉じているのか分からないような半眼が多いように思うのですが、こういった仏様にも時々出合うことがあります。新薬師寺の薬師如来が大きな眼をしておられるのは聖武天皇の眼病平癒を願って造られたからと聞いたことがあります。新薬師寺の薬師如来ほど大きな眼ではないようですが、この阿弥陀如来もそういった何らかの願いをもって造られたのでしょうか。

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こちらも本堂右にある六角堂です。立て札には「六角堂 享保五年(一七二〇)建立 平成七年(一九九五)解体修理 西国三十三観音を安置す」と丈六堂同様、至って簡単な説明だけでした。紀伊名所圖絵には「六角堂 本堂の東にあり。三十三所観世音を安ず。順礼納札の堂なり」とあるのですが、これも同じようなものか・・・。

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中に祀られている西国33所観音霊場の観音様たちです。あれっ、そうすると本物ではないにしても粉河寺本尊を模した千手観音もあるのでは・・・。ここには千手観音は一体ではなく他にもあるようですが、一番上の段の真ん中、大きな千手観音がそれなのだと思われます。粉河寺へ来て拝んでいるのですから、主役である粉河寺の観音様が一番目立つところにあるのが普通だと思うからです。それに肩には赤い布のようなもの掛けられているように見えますし・・・。ブログ「国宝・粉河寺縁起絵巻」をご覧ください。御本尊もお前立ちも共に秘仏という粉河寺ですが、秘密にされればされるほど、知りたくなる・・・。そんな私のような人間をご本尊様はどんな目で見ていらっしゃるのでしょう。よく分かりませんが「色即是空・空即是色」と仰るのかも知れませんね。

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