粉河寺 その2  (紀の川市粉河)

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

中門をくぐり先へと進んでいくとご覧のような豪壮とも言える庭園があります。説明板にある内容を記しておきます。「国指定名勝粉河寺庭園 桃山時代の枯山水の石庭で本堂前の左右の崖地に築庭され、日本の庭園の中でも先例のない様式である。その上、巨石を十分にかつ自由に扱いこなし、全く豪快な造形を呈している。枯山水庭園の珍しい形態を持った名園で、用いた紀州石は雑賀崎の青石(緑泥片岩)、琴浦の紫石(紅簾片岩)、竜門山の竜門石(蛇紋岩)の名石を用いている」 石庭の正面に立って眺めてみると、私には巨石が槍などの武器を突き出しているように見えてしまいます。言ってみれば本堂を守る障壁のように・・・。ですから、美しいと言うより威圧感・圧迫感を受けてしまうのです。この石庭の真ん中の階段を登れば本堂です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

まさに堂々たると言う言葉がぴったりするような本堂です。ご本尊は秘仏とされ、これまで公開されたことはないようです。おまけにお前立ちも秘仏のようで、すべてが神秘のベールに包まれているご本尊です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

こういった光景は霊場巡りの雰囲気が満ちあふれているように思いませんか? 「ちちははののめぐみもふかき粉河でら ほとけのちかひたのもしの身や」、ご詠歌です。私たちが西国33所霊場参拝を始めたのが2000年5月。今にして思えば、まだまだ若かった頃です。当時の納経帳を見ると、順番などは関係なく行き当たりばったりでお参りしていたようです。ここ粉河寺へお参りに来たのは2003年3月のことでした。順調に参拝していったのですが、西国巡礼の難所の一つと言われている11番札所上醍醐寺にお参りしてから丁度1週間後、大病を煩い中断。その後義母の介護などもあって最後の33番霊場谷汲寺へお参りできたのは2014年11月のことでした。紆余曲折はあったものの何とか満願を迎え、更に四国88所霊場参拝も出来たことは本当にありがたいこと思っています。久しぶりにお参りした粉河寺で、これからも元気で楽しく過ごせますようにと祈ってまいりました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

本堂入り口に掲げられている千手観音です。粉河寺のご本尊は秘仏中の秘仏と言うことですので、もしかするとこんなお姿をした観音様なのでしょうか。秘仏と言えばその昔、粉河寺の秘仏公開と言うことを耳にして出かけたのですが、行ってみるとそれは本堂隣の千手堂のご本尊だったのでちょっとがっかりしたことを覚えています。ところで、今回も秘仏公開の期間に当たったのです。秘仏と聞けば見ておかねばと、良く言えば知的好奇心旺盛、俗な言い方をすると野次馬根性丸出しの二人、どうする?見る?一人700円か。うーん、どうしよう。これも何かのご縁、やっぱり見ていこうと言うことで見て参りました。この件についてはまた後ほどに・・・。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

これは本堂の右側面の写真です。享保5年(1720)に建てられ、重要文化財に指定されています。西国札所の中では最も大きいと言われているそうです。城郭のように見えませんか?私にはそのように見えてしまうのです。豊臣秀吉の紀州攻めを経験しているからでしょうか、先にあげた石庭も本堂を守って決して敵を寄せ付けない石垣のように見えてしまうのかも知れません。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください