落合川磨崖仏の探索行 (橋本市・隅田町真土)
2021年1月28日 コメントを残す
橋本市真土にある万葉の里を訪れる時に利用する駐車場の看板に磨崖仏のことが出ており、去年の夏に探してみたのですが行き着くことができませんでした。今回、季節的に蛇に出くわすこともないだろうと、出来るだけ川から離れないようにと道なき道も厭わずに探してみることに・・・。しかし、行けども行けどもそれらしいようなところはなく、今回もダメかなと思い始めた頃、それまで穏やかだった川の様子が一変し、写真のような巨石累々といった感じの場所に遭遇。もし磨崖仏があるならここしかないと一人で探し始めました。何故一人になったかというと、行き着くことが出来るかどうか心配になってきた伴侶は途中で農作業をしている女性と話し込んでいたからです。しばらく待っていたのですが、やってくる様子もなかったので放っておいて一人でやって来たという訳です。
そして梵字発見!やはりここだった!と勇気百倍、他も探してみたのですが・・・
南無大師遍昭金剛の文字やその左にある小さな五輪塔のようなもの、左の岩に刻まれた梵字などは見つかるのですが、肝心の磨崖仏が見つかりません。そうこうしているうちにやってきた伴侶曰く「磨崖仏は川の中にあるんだって。お不動さんとお姫さんがいるみたいだけど、まず見つけることは出来ないだろうと言ってたよ。左の山手にもお不動さんがあるみたいだけど、それは新しいものなんだって」 自分で見つけなければ意味はないと、そんなことは聞き流し、必死になって探していたのですが、突然「あったー」の声。川からは反対の方向を見上げていた伴侶の視線の先には・・・
なんとお不動様が・・・。「でも、これって探しているのと違って新しいものでしょう」と内心ヤレヤレと思いながら撮った写真です。ということで、再び探索開始。すると、またしても「あったー」の声。しまった、先を越されたかと思いながら行ってみたところ・・・
指をさしながら「ほら、あそこ」「えっ、どこに?」と何度も繰り返し教えてもらってやっとわかりました。「でも、これはお地蔵さまだよ」 皆様お判りですか?よろしければ探してみてください。答は・・・
拡大すると地蔵菩薩立像であることがお判りかと思います。それにしても、よくこんなものを見つけることと内心舌を巻きながらひたすら探索を続けたのですが、目的の磨崖仏は、なかなか見つかりません。そこでついに禁じ手と思われる手段を用いることに・・・
一番怪しそうな所を撮って拡大してみることに・・・。
あったー!不動明王立像とその両脇に小さな脇侍が・・・。たぶん制多迦童子と矜羯羅童子だと思います。伴侶が聞いてきたお姫様とはこの脇侍のことだったのでしょう。そう言われてみればお姫様のようにも見えますね。「見つけることが出来て良かったね」と言う伴侶の言葉も素直には喜べない気持ち。何せ、禁じ手を使ったのですから・・・。もしかして、今回の探索行は伴侶の勝ちだったかも・・・という複雑な気持ちで帰途についたことでした。それはともかく、この探索行、このところの閉塞感からしばしの間ですが解放してくれた楽しいひとときだったように思います。場所はグーグルマップで「落合磨崖仏」で検索すると出ています。よろしければ穏やかで暖かい日に出かけられてはいかがでしょう。いい気分転換になりますよ。