国宝・粉河寺縁起絵巻 (和歌山県立博物館)

粉河寺縁起絵巻 (1)

国宝・粉河寺縁起絵巻が見られる・・・、こんなチャンスはめったにないと和歌山県立博物館へ出かけてきました。絵巻のあらすじはこうです。昔々、紀伊国那賀郡に住む猟師が,山中に光明の輝く所のあるのを見て奇異に思い,柴の庵を建て仏像を造りたいと念じていると,童行者が訪れて,7日の間庵に閉じこもり千手観音像を造ってそのまま姿を消した。これが粉河寺草創編。次は河内国の長者の娘が重病に悩んでいるところへ童行者が現れ,枕元で祈りをささげると7日目の朝に娘の病は平癒した。行者は礼の宝物を辞退し,ただ紅の袴と提鞘(さげさや)のみを受けとり,住いは紀州の粉河と告げて立ち去る。翌春その地を訪ねた長者一家は山中の柴庵中に紅の袴と提鞘のかけられた千手観音像を見いだし,かの童行者はこの観音の化身であったと悟って一門剃髪し観音に仕えたというお話です。(平凡社百科事典より) 写真は長者一家が紅の袴と提鞘を持った千手観音を見て、あのときの行者が千手観音の化身だったことを知り礼拝しているところです。

粉河寺縁起絵巻 (2)

そしてこれは一門の人々が仏門に入るために剃髪しているところです。絵巻物は秀吉の根来攻めの際、一部が焼けたためこんな状態になってしまったとか。それにしてもよくこの状態で残っていたものと時間の経つのも忘れて見入ってしまいました。縁起絵巻もそうですが、粉河寺の隆盛を描いた絵にも感動しました。とても大きなお寺だったのですね。最近は行っていないのですが、かつてはよくお参りしたものです。その時は西国三番札所のお寺ぐらいにしか覆っていなかったのですが、今回の展示を見て、これはもう一度お参りしてよく見てこなければと思ったことでした。特別展「国宝粉河寺縁起と粉河寺の歴史」は11月23日までです。 注:この写真は展示してある絵巻を内緒で写したものではなく、入り口にあるフォトスポットで、ご自由に撮影していただけますと表示のある大きなパネル写真を撮ったものです。念のため・・・。 なお、秀吉の根来攻めについては「根来寺」「根来寺 弾痕」をご覧ください。

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