松平忠直墓所 （高野山・奥の院）

天樹院・千姫供養塔の左にある松平忠直（西厳院）墓所です。松平忠直は菊池寛の小説「忠直卿行状記」で有名だと思うのですが、標柱もないし、地図にも出ていません。忠直は結城秀康の長男で家康の孫に当たります。秀康の跡を継ぎ越前藩の２代藩主になりますが、彼の代から松平姓を名乗るようになります。忠直が将軍秀忠の忌諱に触れ豊後に左遷された後、弟の忠昌が越後高田から移り越前藩を嗣ぐことになります。そしてその高田藩に忠直の長男・光長が藩主として入ることになります。この五輪塔は越後高田藩主である光長が父忠直のために建てたものです。地輪には西厳院殿相誉蓮〇大居士、孝子越後国高田城主従三位中将松平越後守源朝臣光長の文字が読み取れます。千姫の墓所を訪ねられたときは是非越後高田藩 松平綱賢五輪塔、徳川綱重墓所、播磨姫路 本多家墓所もご覧ください。それと千姫供養塔のブログで書いていたのですが実はもうひとつ天崇院（光長の母・勝姫で２代将軍秀忠の娘）の墓所が抜けていました。ごめんなさい。次回のブログ「天崇院墓所」をご覧ください。